第101回目となる全国高等学校野球選手権大会。日本の夏休みと言えば「甲子園」と言っても過言ではありません。「プロ野球は観ないけど、高校野球は大好き!」という声をよく聞きます。高校生のスポーツマンシップあふれる姿は、感動を与えます。一試合一試合、プロではなくアマチュアだからこその危なっかしいプレーにドキドキしながら歓喜したり涙したり。今年の夏は桜丘にとって忘れられない夏になりました。愛知県予選での初めての決勝戦進出。これに勝てば甲子園!というところまで行くことができました。結果は準優勝。負けました。ここでの勝敗は天国と地獄。しかし、桜丘野球部員の姿は、ここ東三河の地、もっと言えば豊橋の地に大きな感動を与えてくれました。試合後、選手を労う沢山の電話やメールをいただきました。この場をお借りし、お礼申し上げます。
夏をもって引退した3年生部員にインタビューしました。高校生らしい素直な言葉や気持ちをお伝えします。
司:あらためて夏の愛知県大会、準優勝おめでとうございます!
部:(全員で)あざっす!
司:最初に、キャプテンに聞きます。このチームの良さは何ですか?
主:みんな本当に仲が良くて、みんな同じ立場という気持ちでやってきました。誰が偉いとかもなく、いつもみんなで一緒にやってきました。
司:桜丘高校野球部に入部した理由は?
部:自分は中学の時のクラブチームで憧れていた先輩が桜丘だったので、自分もそこでやりたいと思って入学を決めました。
司:杉澤監督の第一印象は?
部:すごく生徒思いでいい監督です。
司:そう思う人、挙手!(全員手を挙げる)
じゃあ、厳しいという人、挙手!(周りの様子を見ながら手を挙げる部員)
優しい人は厳しい人。両面あって初めていい監督だよね。
司:三年間を通して、一番辛かった時期は?
部:2年の秋にトレーニングが強化されて、その時が辛かったです。(多数頷く)
司:何か部内に変化があったの?
部:監督の気合が半端なかったです。
司:なるほど!他には?
部:練習の合間に卵かけごはんをどんぶり一杯食べるんですが、それがきつかったです。
一生分の卵かけごはんを食べました。(みんなで大笑い)
司:この3年生チームになって、この試合は自分たちのいい所が出せたなという試合は?
主:福井県の強豪校との練習試合で、ひとりひとりのいい所を生かすことができて勝てた
時は嬉しかったです。
司:応援団長!真っ黒に日焼けしてスタンド席を引っ張ってくれたね。心がけたことは?
部:自己満足にならないように、みんなが知っている曲を多く取り入れたり、監督のリクエスト曲を入れたりして、場面に合った応援をしようと心がけました。
司:打率の良かった君、ここぞの打席はプレッシャー?やったるぞ?どっち?
部:やったるぞ!です。打席に入る前に「この球が来たら打つ」と、だいたい決めていました。その読みが当たると自分も嬉しいです。
司:キャッチャーの役割は大きいと思うけど、気をつけたことは?
部:ピッチャーと意見が合わない時もたまにあるので、そういう時はピッチャーの意見を優先させたりして自分の考えを押しすぎないようにしました。
司:なんでサッカーではなく野球なの?
部:自分は小3から始めました。兄がやっていたから自分も自然にやることになりました。ここまで続けたのは、やっぱり野球が好きだから。
司:高校卒業後も野球を続ける人は?
部:(多くの部員が挙手。大学野球部や就職して草野球など)
・自分も野球はやりたいんですが、栄養学を学んでサポートする側になりたい。
司:桜丘野球部で頑張ってきた今、思うことは?
部:・辛いことも多かったけど、今は楽しかったことの方が心に残っています。
・辛かったことはこの先の人生の糧になるはずだから、頑張ってよかったです。
・野球を通して学んだことがたくさんあるから、部員や親や監督に感謝しています。
・辛くて野球が嫌いになった時もあったけど、このメンバーでこの学年で本当に良かったです。またいつかこのメンバーで野球がしたいです。
・キャプテンになってすぐケガをして、自分が引っ張るよりみんなに引っ張られて迷惑をかけたけど、最後の夏に自分たちの集大成を表現できてよかったです。
・毎日苦しい練習だったけど、努力してきたことは無駄じゃなかったと思えるので、今は気持ちがすっきりしています。
・毎日苦しかったはずなのに、こうして引退してしばらく経つと野球がやりたくなります。
・この準優勝は一生の宝物にしたいです。
・監督には野球だけじゃなく、人間としても成長させてもらいました。
・自分は家が遠くて通学だけで1時間半かかります。帰りは12時を過ぎることもあったけど、それでもお母さんは起きて待っていてくれた。そこから洗濯をしてくれ、朝には白い練習着を持たせてくれた。本当に感謝しています。
・大事な試合の日に背番号を忘れてしまった。朝早かったけど、お母さんがすぐに届けてくれた。それが一番の感謝です。
・お母さんの作るものは全部うまくて、特に自分はカレーやオムライスが大好きでよく作ってくれました。ありがとう!
(※ 部→部員 主→主将 司→司会)
インタビュー中、顔を見合わせてはニコニコして、誰かのコメントに大笑いし、そこには素の高校3年生の姿がありました。髪も伸びて、日焼けも少しさめて、だんだん大人になっていく淋しさを感じました。この夏の功績が自信になって、君たちの人生がますます輝きますように! (文責・竹内貴美)
【試合結果】 桜丘高校:Cブロック (1・2回戦シード校)
3回戦VS岡崎西高(13-2) 4回戦VS岡崎学園高(5-3)
5回戦VS豊橋中央高(9-8) 準々決勝VS安城東高(4-3)
準決勝VS至学館高(5-4) 決 勝VS誉高(1-8)
出場校数:188校(愛知県は全国で一番の激戦区)