最高の「モチベーターに」

夏に男女、全国アベック優勝を果たした日本拳法部の顧問である、河合雄史先生にインタビューしました。

 

「部活動づくりで大切にしていることを教えてください。」

顧問になった5年前、3つの教訓を作りました。『素直な心』『謙虚な心』『不屈の心』です。これは常々生徒にも言っている言葉であり、道場にも掲げてある言葉です。失敗しても大丈夫。間違いをしても大丈夫。でも、きちんと「ありがとう」「ごめんなさい」が素直に言えることが大切です。そして、どれだけ強くても、全国優勝しようとも、それは人を評価する1つの基準にしかならない。人は数えきれないほどのいいところを持っているはず。謙虚な心で、常に「人として」という気持ちを大切にしてほしい。あと、何度失敗してもいい。最後に成功すればいい。だからこそ不屈の精神でどんどんチャレンジをして欲しい。諦めずに頑張って欲しい。そんな想いで3つの教訓を作りました。また、常に変化がなければならないと思っています。強い時代にやっていたことをずっと大切にしていれば、必ず弱くなる。常に変化を求めています。

 

「優勝できた理由は何だと考えますか?」

生徒1人1人の個性を徹底的に分析することです。必ず相性が出てきます。そのため、オーダーがとても大切になってきます。相手をリサーチするだけでなく、そのオーダーを出す相手の監督の癖も把握し、大会の度にメモしています。自分も競技者だからこそ、相手の弱点もわかるし、競技者として同じ視線で見れることはとても大きいと思います。

 

「入部してくる生徒は経験者が多いですか??」

2割くらいが経験者で、あとは高校で始めた子が多いです。例えば、この優勝した5人も、3人が経験者でした。経験者とは言っても、その内、2人は賞も取ったことのない子でした。決勝で当たった相手は、優勝常連校で、小さい頃から習っている子も多いと聞いてます。

 

「顧問として大切にしていることは何ですか?」

優勝できるかどうか、強くなれるかどうかは「気持ち」が大切だと思います。なので、試合が近づいてくるとモチベーションビデオを作って見せています。

 

「モチベーションビデオとはどのようなものですか?」

毎年テーマをつくって、それに合うように作っています。今年はイチローの引退会見を切り取って伝えたいことをまとめました。イチローは、「とんでもないことをするには、小さいことを積み重ねることが大切。いい時ばかりでない。もちろん失敗もある。勝てないときもある。」と語っていました。生徒はこの言葉を聞いて、きっと振り返り、乗り越えてきた経験を思い出します。これのいいところは、選手だけでなく、その他の応援の部員も同じ時間を共有し、同じ方向を見れることです。顧問として大切なことは、生徒、選手の「モチベーターになること」です。

 

 

日本拳法部、全国優勝おめでとうございます。このインタビューを通して改めて教員として大切にしていかないといけないことに気づかされました。インタビューをしていて、教員として、顧問としてとても勉強になりました。これからも日本拳法部のみなさん、そして雄史先生、頑張ってください。(文責:齋藤)